不用品回収とは|許可制度・料金の仕組み・自治体との使い分け
有料で不用品を引き取ってもらう「不用品回収」について、必要な許可、料金がどう決まるか、自治体の制度との違い、無許可業者を避ける方法をまとめました。
不用品回収とは
不用品回収とは、家庭から出た不要な物を事業者が有料で引き取り、運搬して処分する仕事です。値段が付く物を買い取る「買取」とは、目的も必要な許可も異なります。
自治体の粗大ごみ収集と比べたときの違いは、部屋の中から運び出すところまで引き受ける点と、日程を早く組める点です。その代わり、費用は自治体より高くなります。
同じ訪問でも、買取と回収を両方扱う事業者と、回収だけを扱う事業者があります。売れる物が混ざっているなら、両方に対応している事業者に見てもらうと、買取分で処分費を相殺できます。
どんな場面で使われるか
引越し
転居の日程が決まっているため、自治体の粗大ごみ収集では間に合わないことがあります。申し込みから収集まで日数がかかり、収集日は選べないためです。
旧居で使っていた家具・家電のうち、新居で使わない物をまとめて処分する場面で使われます。引越し業者が不用品の引き取りを扱っている場合もありますが、対応できる品目が限られることがあります。
実家の片付け・住み替え
長く住んだ家では、量が読めないほど物が溜まっていることがあります。押し入れ・物置・屋根裏・庭まで含めると、数トン単位になることも珍しくありません。
この規模になると、自分で運び出して自治体に出す方法は現実的でなくなります。人手と車両を持つ事業者に頼む方が、費用を含めても負担が小さくなります。
退去・原状回復
賃貸物件の明け渡しでは、残置物があると原状回復が完了しません。管理会社から期限を切られている場合、日程を優先して事業者に依頼することになります。
オフィス・店舗の閉鎖
事業活動から出た物は産業廃棄物にあたり、家庭のものとは扱いが異なります。必要な許可も変わるため、家庭用の回収とは別に相談してください。
必要な許可
ここが最も重要な点です。家庭から出た廃棄物を扱うには、決められた許可が要ります。許可の種類を取り違えている説明が多いので、整理します。
| 許可 | 対象 | 出す機関 |
|---|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業 | 家庭から出た廃棄物の収集・運搬 | 市区町村 |
| 産業廃棄物収集運搬業 | 事業活動で出た廃棄物 | 都道府県 |
| 古物商 | 中古品の売買(買取) | 都道府県公安委員会 |
家庭の不用品には市区町村の許可が要る
一般家庭から出た物は「一般廃棄物」にあたり、これを有料で収集・運搬するには、その市区町村ごとの一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。都道府県の産業廃棄物の許可では代われません。
この許可は新規に出されることが少なく、持っている事業者は限られます。そのため、多くの回収事業者は自治体の許可業者と提携して運搬を委託しています。
古物商許可は回収の許可ではない
古物商許可は中古品を売買するための許可であり、廃棄物を運ぶ許可ではありません。「古物商許可を取得しています」とだけ書かれている場合、回収の部分について許可があるとは限りません。
買い取る物と、処分する物を分けて考えてください。前者には古物商許可、後者には一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。
無許可業者を避ける
無許可の事業者に処分を委ねると、引き取られた物が不法投棄される事例があります。委託した側が責任を問われることもあります。次のような形は注意が要ります。
- 「無料回収」と放送しながら巡回するトラック
- ポストに投函されるチラシで、社名や所在地、許可番号の記載がないもの
- 最初は無料と言い、積み込んだあとで料金を請求する
- 見積書や契約書を出さない
- 電話番号が携帯だけで、事務所の所在地が不明
確認の方法
許可の有無は、お住まいの市区町村の廃棄物担当課に問い合わせれば確認できます。多くの自治体が許可業者の一覧を公開しています。
事業者に直接聞くのも有効です。許可番号と、どの市区町村の許可かを答えられない場合は、その説明自体が判断材料になります。
料金の仕組み
回収の料金は、主に三つの形で提示されます。どの形かによって、比べ方が変わります。
積み放題(トラック単位)
軽トラック1台分、2トントラック1台分といった単位で価格を決める形です。量が多いときに分かりやすい一方、「積み放題」と言いながら実際には積める量に制限がある場合があります。何立方メートルまでか、追加料金が発生する条件は何かを、書面で確認してください。
単品(品目ごと)
ソファ1点、冷蔵庫1点といった単位で価格を決める形です。点数が少ないときに向きます。搬出の難易度で加算されることがあります。
基本料金+処分費
出張・作業の基本料金に、品目ごとの処分費を足す形です。内訳が見えやすい反面、合計が読みにくくなります。見積もりの段階で総額を出してもらってください。
見積もりの取り方
電話や写真だけの概算と、実際の金額が食い違うことがあります。量と搬出条件は、見ないと分からないためです。
- 訪問して見積もりを出してもらう。無料としている事業者が多い
- 書面で受け取る。口頭だけだと後から食い違う
- 追加料金が発生する条件を書いてもらう。何をしたら増えるのかを明確にする
- キャンセル料の有無と、いつから発生するかを確認する
- 作業日と、当日の人数・所要時間の見込みを聞く
相見積もりを取るとき
2〜3社に見てもらうと、金額の幅と、条件の違いが見えます。他社にも見てもらう予定であることは、伝えて構いません。
同じ条件で比べるために、見せる範囲を揃えてください。片方には押し入れの中まで見せ、もう片方には見せていない、といった状態では比較になりません。
加算されやすい条件
- エレベーターがなく、階段で搬出する
- トラックを停める場所が遠い、または確保できない
- 解体しないと搬出できない
- 家電リサイクル法の対象品が含まれる(別途リサイクル料金)
- 危険物・特殊な処理が必要な物が含まれる
- 当日の急な依頼、時間指定
自治体の粗大ごみとの比較
| 自治体 | 回収事業者 | |
|---|---|---|
| 費用 | 1点あたり数百円〜 | 自治体より高い |
| 搬出 | 自分で指定場所まで | 室内から運び出す |
| 日数 | 申し込みから収集まで日数が要る | 早ければ即日〜数日 |
| 点数 | 1回の申し込みで上限がある場合がある | まとめて対応 |
| 受付不可の物 | 家電リサイクル法対象品ほか | 事業者により対応 |
| 向く場面 | 点数が少なく、待てる | 量が多い、期限がある、搬出が難しい |
自治体が受け付けない物
次の物は多くの自治体で粗大ごみとして出せません。回収事業者に頼む場合も、扱えるかを先に確認してください。
- 家電リサイクル法の対象:エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機
- パソコン(資源有効利用促進法により、メーカー回収などの経路がある)
- 消火器、ガスボンベ、灯油、塗料などの危険物
- タイヤ、バッテリー、農機具
- ピアノ、金庫など、特殊な運搬が必要な物
- 土砂、コンクリート、建築廃材
回収された物はどこへ行くのか
引き取られた物は、状態によって行き先が分かれます。すべてが埋め立てられるわけではありません。
- まだ使える物は、中古品として販売されるか、海外へ輸出される
- 金属は素材ごとに分別され、再資源化される
- 家電リサイクル法の対象品は、指定の引取場所を経てメーカーの処理施設へ
- 資源にならない物は、焼却または埋立処分される
適正処理の確認
どこへ運ばれ、どう処理されるのかを説明できる事業者を選んでください。説明を避ける、あるいは答えられない場合、その先の処理が適正である保証はありません。
廃棄物を出した側には、適正に処理されるまで責任が及ぶという考え方があります(排出者責任)。費用を払えば終わり、とはなりません。
当日の流れ
立ち会いは、できるだけ最後まで行ってください。搬出が終わったあとに残す物が無くなっていた、という食い違いを防げます。
- 事業者が到着。作業内容と範囲を確認する
- 養生。共用部や床、壁を保護する
- 搬出と積み込み。指示があれば分別しながら進む
- 作業後の確認。残す物が残っているか、搬出漏れがないかを一緒に見る
- 精算。見積もりどおりか確認してから支払う
依頼の流れ
- 問い合わせ。品目・量・住所・希望日を伝える。写真があると概算が出しやすい
- 訪問見積もり。量と搬出条件を見て金額を出す。電話だけの概算とずれることがある
- 見積書の受け取り。追加料金が発生する条件を確認する
- 作業日の決定
- 当日の作業。搬出と積み込み
- 支払い。現金か振込かは事業者による
トラブルの型
積み込み後の追加請求
作業が終わってから、見積もりにない料金を請求される形です。荷物を積んだ後だと断りにくくなります。作業前に書面で総額と、追加が発生する条件を確認してください。
不法投棄
回収した物が山林や空き地に捨てられる事例があります。排出者にも責任が及ぶことがあり、費用を払ったから終わり、とはなりません。許可の確認が最も確実な予防になります。
「無料」の後出し
無料と告げて回収し、後から高額を請求する形です。無料で成り立つ事業構造かどうかを考えると、判断が付きます。処分には必ず費用がかかります。
相談先
消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターにつながります。不法投棄が疑われる場合は、市区町村の廃棄物担当課または警察へ連絡してください。
売れる物が混ざっているとき
処分するつもりの中に、買取に回る物が含まれていることがあります。製造から年数が浅い家電、状態のよい家具、ブランド品、貴金属などです。
買取分を先に売り、残りを回収に出すと総額が下がります。買取と回収の両方に対応している事業者であれば、一度の訪問で分けてもらえます。
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 一般廃棄物 | 産業廃棄物以外の廃棄物。家庭から出る物が該当する |
| 一般廃棄物収集運搬業許可 | 一般廃棄物を収集・運搬するために必要な市区町村の許可 |
| 排出者責任 | 廃棄物を出した側が、適正に処理されるまで責任を負うという考え方 |
| マニフェスト | 産業廃棄物の処理の流れを記録する管理票 |
| 家電リサイクル法 | 特定家庭用機器再商品化法。対象4品目の処理について定める |
| リサイクル料金 | 家電リサイクル法の対象品を処理する際にメーカーへ支払う費用 |
| 積み放題 | トラック1台分などの単位で料金を定める提示方法 |
よくある質問
本当に無料で回収してもらえることはありますか
買い取れる価値のある物であれば、買取として無料または有償で引き取られます。値段が付かない物の処分には費用がかかります。「何でも無料」という説明は、後から請求される、あるいは適正に処理されない可能性を考えてください。
許可の有無はどこで分かりますか
お住まいの市区町村の廃棄物担当課で確認できます。多くの自治体が許可業者の一覧を公開しています。事業者に許可番号を尋ねる方法もあります。
見積もりは無料ですか
訪問見積もりを無料としている事業者が多く見られます。ただしキャンセル料の有無は事業者によります。見積もり時に確認してください。
引越しの当日に間に合いますか
事業者によっては即日対応が可能です。ただし繁忙期は埋まりやすいため、日程が決まった時点で相談してください。自治体の粗大ごみは申し込みから収集まで日数がかかるため、直前では間に合わないことがあります。
ゴミ屋敷のような状態でも頼めますか
対応している事業者があります。量と作業時間が読みにくいため、訪問して見積もりを出す形になります。清掃や消臭まで必要な場合は、その作業に対応しているかを確認してください。
不用品回収をお考えの方へ
お住まいの地区の事業者をまとめて見られます。1回の入力で、まとめて査定を依頼することもできます。
この記事は株式会社LINKBANKが作成しています。本サイトは株式会社LINKBANK(リサイクルショップ エコスマイリー)が運営しています。運営会社も対応事業者の一社として、査定に参加する場合があります。